「書き出しがつまらなかったら、読んでもらえないよ」
上記の一文に「ドキッ」としたなら、この記事を読む価値は十分にあります。
「つかみ」とは「文章の書き出し」のこと。
冒頭の1行目から10行目ぐらい。
ブログなら、導入文ですね。
こんにちは。
ライティングbookリコメンド(ライブリ)の「おみごと」です。
僕は、Webライティング、ブログに関する本だけを50冊以上読了。
その中で、ブログ初心者に向けて本当に役立つ本だけを書評するブログを運営しています。
今回、紹介する本は
ライター歴25年/編集者。
(株)オフィス解体新書・代表取締役。
『30sta!』編集長。
2018年から天狼院書店でライター講座の講師を務める。
杉山直隆(すぎやま なおたか)さんが書かれた
「文章はつかみで9割決まる」です。
こちらの本は、こんな方におススメです。
- わかりやすいけど、無難すぎる『つかみ』
- 手あかのついた『つかみ』に頼っている
- 読み手の興味とズレたネタを選ぶ
- 『つかみ』が冗長で、ダラダラしている
- 本題と『つかみ』がかみ合っていない
上記のような、
「つかめないつかみ」症候群に悩む。
文章が苦手な人でも、読み手の心を引きつける「つかみ」が書ける。
ブログにも使えるノウハウをピックアップしています。
それでは、サッと行きますよ!
記事の結論はコレです。
「つかみ」で人生も変わる。
いくら書いたコンテンツの内容がよくても、読んでもらえなければ、存在しないのと同じである。
文章術を指南する本で、多くの著者が「つかみ」の重要性を述べています。
たとえば、
ブログ初心者におすすめ本として、必ずと言っていいほど紹介される本。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』古賀史健/講談社
最初の書き出しです。
最初の数行を読んでつまらないと思ったら、もう読んでもらえない。
引用:20歳の自分に受けさせたい文章抗議
小論文や課題作文であれば読者(教師や評者)にも読み通す責任があるが、一般的な日常文にはそれがない。読者はいつも「読まない」という最強のカードを手に、文章と対峙しているのである。
日本最大級のオンラインコミュニティ、ABCスペース。ABCオンラインを運営。
ブログライティングの教科書の著者でもある。
「なかじさん」こと中島 大介さんも
記事冒頭の数百文字の短いコンテンツを「リード文」と呼びます。リード文を本文のつなぎのように考える人もいますが、間違いです。
中略
どんなに役立つ内容が書かれていたとしても読まれなければ、意味がありません。
引用:ブログ歴17年のプロが教える売れる文章術 ブログライティングの教科書
と述べています。
書評 ブログライティングの教科書|ブログのプロが教える稼げる記事の黄金法則を身につけよう! を見てみる
では、なぜ「つかみ」がそこまで重要なのか?
それは、読み手は想像以上に時間の余裕がない
からです。
インターネットの普及で、X(Twitter)やInstagram、YouTubeなどのSNS。
世の中のコンテンツは爆発的に増えました。
一方、読み手の時間は増えているかというと、増えているわけではありません。
スマホやタブレットなどで、あらゆる場所で見られるとはいえ、コンテンツを見たり、読んだりする時間は「通勤・通学時間」「休み時間」「帰宅後の自由時間」ぐらいでしょう。
それでも、少しはコンテンツを観たり、読んだりすることはあるはずです。
なんとなく、記事に触れることもありますよね。
そのとき、文章で読むかどうかの大きなキッカケになるのが「つかみ」です。
少ない時間の中で、パッと見て「面白そうだ」と思わせることができる「つかみ」なら、あなたの記事を読んでもらえる可能性が出てくる。
逆にいえば、
いくら書いたコンテンツの中身がよくても、読んでもらえなければ、存在しないのと同じ。
なのです。
「つかみ」を制する者は文章を制す
「つかみ」の重要性は読み手だけに影響を与えるのではありません。
実は、
書き手にも大きな影響を与える
ライターの仕事を始め、文章の「つかみ」をシッカリと考えるようになってから
「全体的によく書けている」と
評価されることが増えたと著者は述べています。
その理由は3つ。
- 読み手
- メッセージ
- 構成
1つひとつ、見ていきましょう。
まず、文章は
「どんな読み手に向けて書いているのか」
読み手の対象をハッキリさせることが必要です。
そうすれば、「読み手の対象はベテランブロガーなのに、初心者ブロガー向けの初歩的なことを書く」といった、ズレた「つかみ」になるのを防げます。
次に
「そもそも、この文章で何を伝えたいのか」
メッセージを明確にすることも大切。
そのメッセージと「つかみ」が、しっかりと関連を持っていれば「つかみ」とそれ以降の内容がかみ合い、「何を伝えたいのか」が、よりハッキリしてくるのです。
最後に
「つかみ」を考えるときには、構成も一緒に考える
こともポイント。
「つかみ」からはじめて、どんな順番で文章を構成していくと、話が伝わりやすく読み手が飽きないか。
それらがうまくいくと、より「つかみ」が活きます。
このように、
- 読み手
- メッセージ
- 構成
の3つを考えると「つかみ」だけではなく、文章全体の方向がハッキリします。
そして、筋の通った文章が書けるのです。
ブログの「つかみ」に求められる、たった2つの期待。それは、問題解決と知的好奇心を満たすこと。
ここでは、「つかみに」求められる3つの「期待」からブログに役立つポイントを紹介します。
検索して、あなたの記事を読むときの読み手にあるのは、たった2つの期待。
それは、
- 問題を解決したい
- 知的好奇心を満たしたい
です。
問題を解決したい
人が文章を読む大きな目的は、「問題を解決する」こと。
人は、さまざまな問題を抱えています。
たとえば、この記事を読んでいるあなたなら、
「ブログの導入文を上手く書きたい」
「完読してもらえる文章を書きたい」
などでしょうか?
そのため、Webや雑誌の記事、書籍を読むときには
「何か問題解決できそうな情報がないか」と期待を持っているものです。
そこで、
「この記事を読めば、問題解決できるかも?」
と思わせる「つなぎ」の文章があれば、読み手はあなたの記事を読んでくれます。
知的好奇心を満たしたい
人は、仕事や生活に役に立つかどうかに関係なく
「知的好奇心を満たしたい」
という欲求を持っています。
たとえば、
- 自分が以前から興味を持っていることで、知らなかったこと
- これまで気に留めていなかったが、面白いと気づいたこと
- ずっと気になっていたこと
このような内容が、書かれた文章を見つけると
「もっと深く知りたい!」
先が読みたくなるのです。
3つの手法で、あなたもつかめる「つかみ」が書ける
ここでは、誰でも手軽に取り入れられる「つかみ」14の手法の中から、ブログの「つかみ」に役立つ3つの手法を紹介します。
それは、
- 問いにする
- 数字を入れる
- 常識や先入観を否定する
です。
問いにする
「問い」は、「つかみ」の定番テクニック。
問いについての解説は
このように書かれています。
問いには、相手に「そうだ、そうしたほうがいいな」と思わせる技術です。
そのためには、
- 自分の問題と相手に認識させる
- すぐに実行すべき大切なこと
- 解決すべき重要な問題
と思わせることが重要。
では、どうやって?
それは、
- 「あなたは、どう?」
- 「あなたの意見は?」
- 「あなたなら、どうする?」
と「あなたは・・・」で始まる問いをつくるのです。
これにより、相手はそのことについて、より考えなくてはならなくなる。
このように、
「問い」を上手く使い、読み手の心を「つかみ」ましょう。
数字を入れる
文章に具体的な数字を入れると、説得力やインパクトが増加します。
それは「つかみ」でも同じです。
でも、数字を使うと「具体的数字効果」で文章に説得力やインパクトが生まれる
と述べています。
たとえば、どちらが印象に残るでしょう?
- ほとんどの人が泣いた
- 96.8%の人が泣いた
ほとんどの人が②ですよね。
- 「多く」
- 「たくさん」
- 「ほとんど」
などの言葉は、人によって感じ方に差が出るものです。
しかし、具体的な数字を入れると、あいまいさが消え具体的になるので印象に残ります。
ですから、このように数字を使い、つかめる「つかみ」を生み出しましょう。
常識や先入観を否定する
たくさんの読み手が持っている、常識や先入観を否定する。
そのような内容を「つかみ」にもってくると
「えっ、本当?」と
読み手の興味を惹くことができます。
たとえば、
あなたが「太っている」本当の原因は、運動不足ではありません。
本当の原因は、「腸内環境」の改善なのです。
上記のように、
一般的に、ダイエットには「運動が必要」という常識を入れて、それを否定する流れにする。
そうすると「つかみ」にインパクトが出て、読み手の心をつかむことができます。
ブログ初心者でも「つかみ」をつくれる王道の5ステップ
さきほど、「つかみ」のパターンについて、3つ紹介しました。
しかし、
実際に自分が文章を書くときに、
『どのようなプロセスで「つかみ」をつくればいいのか分からない」』
という方も、いるかもしれません。
そこで、
ここからは「つかみ」をつくる王道の5ステップを紹介します。
- 目的をはっきりさせる
- 要素を出して、何を書くか・書かないかを考える
- プロットをつくり、「つかみ」を考える
- 文章を書きながら「つかみ」を考える
- 推敲して「つかみ」を磨く
ステップ1:目的をハッキリさせる
ステップ1は、「目的をハッキリさせる」こと。
目的をより具体的にすると、以下の3つの要素があげられます。
- テーマ:何を書くのか
- 読み手:誰に読んでもらうのか
- メッセージ:この文章を通して、読み手に何を伝えたいのか
最初に、この3つを決めることで、ステップ2以降で「つかみ」をはじめとした文章の方向性がブレにくくなります。
ステップ2:要素を出して、何を書くか・書かないかを決める
- テーマ
- 読み手
- メッセージ
が決まったら、次はステップ2で「要素」を出しましょう。
あなたが書く文章には、どんな要素があるかを箇条書きで書き出します。
ここでは、まだどの要素が「つかみ」になるかわからないので、出せる要素はすべて出してみる。
要素は、ツリー構造でまとめてもいいですし、マインドマップのようなツールを使ってもいいでしょう。
ステップ3:プロットをつくる
要素を出した次のステップは「プロットをつくる」こと。
「プロット」とは文章を書き出す前の、文章構成のことです。
「プロット」は文章を書くときの「地図」
ともいえます。
プロットに沿って文章を書くことで、書きながら構成がくずれることを防げます。
迷いながら書くこともなくなるので、書く時間が短くなるのも大きなメリットです。
ステップ4:文章にする
プロットができたら、その構成に沿って文章を書いていきます。
「つかみ」に関しても、ここで書きましょう。
しかし書いても、
「やっぱりこの『つかみ』は違うかな?」と感じることもあります。
そのときは、一度「つかみ」を書くことは横に置いて、最後まで文章を書き切りましょう。
ステップ5:推敲する
文章を書き上げたら、「推敲(すいこう)」しましょう。
秒で伝わる文章術の著者、宮崎直人さんも
文章が完成するのは、一度書き終えて、削ったあとです。
省略
「家に帰るまでが遠足」といわれるように、文字を削るまでがライティングなのです。
引用:秒で伝わる文章術
と述べています。
【書評】秒で伝わる文章術はブログ初心者の必読書|UXライティングで人は動かせる! を見てみる。
推敲するときに、見るポイントは5つです。
- ムダな文章を削る
- 重複する言葉を減らす
- 「意味のない言葉」をカットする
- 「動詞・補助動詞」を短くする
- 「難しい言葉」は「わかりやすい言葉」に変える
以上のことは、些細なことに感じるかもしれません。
しかし、チョット文章を磨くだけで、より読みたくなるものです。
誰にでも出来ることなので、ぜひ実践してくださいね。
まとめ
この記事では、
いくら書いたコンテンツの内容がよくても読んでもらえなければ、存在しないのと同じである。
「つかみ」を制する者は文章を制す
ブログの「つかみ」に求められるのは、たった2つの期待。問題解決と知的好奇心を満たすこと
3つの手法で、あなたもつかめる「つかみ」が書ける
ブログ初心者でも「つかみ」をつくれる王道の5ステップ
を解説しました。
今回、紹介した本
「文章はつかみで9割決まる」
の中で、まだまだ紹介できていない部分がたくさんあります。
『もっと「つかみ」について知りたい』
「読み手が完読する文章が書きたい」
と思うなら、あなたも本書を手に取って読んでみてくださいね。
追伸:
このブログでは、ブログ、Webライティングに役立つ本に特化した書評をしています。
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ではまた、次の記事でお会いしましょう!